2023.12.06 オスプレイ墜落で厚木基地抗議と申し入れ
12月6日(水)厚木基地へオスプレイ飛来についての抗議行動が組まれた。飛来してきたのはオスプレイだけでなく、空母艦載機や海兵隊機で、いまだに飛行訓練を続けている。まるで岩国移駐前に戻ったかのようだ。しかし本日の申し入れは11月29日に鹿児島県屋久島沖に墜落し米海兵隊員8名全員が死亡した事故に対してである。日本国内でオスプレイが墜落死亡事故を起こしたのは初めてではあるが、その後もオスプレイの飛行は続いている。墜落したのは横田の空軍オスプレイCV22だが、だからといって海兵隊のMV22が飛行を続けていて良いという話にはならないだろう。陸上自衛隊のV22はさすがに飛行停止しているが。本日も厚木基地ではオスプレイが4機連なって飛行していた。
この日の抗議行動には約60名の参加者が集まり、マスコミも取材していた。
以下の厚木基地司令官あての申し入れ書を担当士官に手渡した。
2023年12月6日
米海軍厚木基地司令官
ニコラス・ルクレア大佐 様
厚木基地爆音防止期成同盟
委員長 石郷岡忠男
第五次厚木基地爆音訴訟原告団
団 長 大波 修二
原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議
共同代表 高久 保
神奈川平和運動センター
代 表 福田 護
オスプレイの飛行に抗議し、飛行停止を求める申し入れ書
わたし達は、基地周辺、神奈川県内そして首都圏において、平和で人権の守られる社会をめざして活動している市民団体・労働団体です。厚木基地の運用が、周辺住民の静かな生活を送る権利を侵害する度に、わたしたちは抗議に訪れています。毎回、当直将校が対応され、わたしたちの文書を受け取っていただいていますが、司令官は目を通しておられるのでしょうか。ただ受け取るだけでなく、わたしたちの訴えについての感想も是非一度お聞かせください。
去る11月29日、米空軍横田基地所属のCV22オスプレイが、鹿児島県屋久島沖に墜落しました。8人が乗り組んでいたということで、うち1名が亡くなり、残る7名については行方不明となっています。米軍も日本政府も、遭難者の救出を優先させるため、捜索に全力を尽くすと言っています。わたしたちも亡くなられた方に哀悼の意を表し、行方不明の方が無事発見されることを祈ってやみませんが、その言葉が米軍から発せられることには強烈な違和感を覚えます。人命優先・人命尊重を言うのであれば、事故の起きる前にもっとやるべきことがあったはずです。
この2年間にオスプレイの事故が頻発しています。2022年3月のノルウェイの墜落事故から今回の事故まで、クラスA事故が6件発生し、13名の方が亡くなられています。
また、緊急着陸は2年間で11件、うち今年の9月からMV22の緊急着陸が5件も連続して起きています。この中には、9月21日に厚木基地隣接の日本飛行機工場で定期機体整備を終え帰投途中だった機も含まれます。米軍は予防着陸という言い方をしていますが、事故につながる事態が発生していたことには違いありません。
オスプレイは開発段階から事故が続き、その安全性について専門家からも懸念の声が上がっていました。にもかかわらず米軍は運用を続け、事故が起きると、パイロットの操縦ミスを原因にあげ、機体構造には問題はないと発表していました。2022年6月の事故で、ようやく原因が機体自体にあると報告されましたが、米軍は部品交換をすれば大丈夫だとして飛行を続けています。
緊急着陸についても米軍はその詳細を明らかにしていません。これだけ連続して起きていながら、安全性に問題はないと言い張ってきました。
飛行を停止し、安全性を見直す機会が何度もあったにもかかわらず、米軍は運用を続けてきたのです。
そのような経過の中で、屋久島沖での墜落事故が起きました。構造の不安を指摘され、何度も事故が起きていた機体です。これは単なる事故で片付けられないことです。これまでの事故や緊急着陸を教訓としてこなかった米空軍、米海兵隊は、その責任を問われるべきです。
さらに驚くべきことに、米軍は、人命救助を優先し、行方不明者を捜索すると言いながら、同型機の飛行を続けているではありませんか。安全性が疑われ、とうとう大事故を起こしたその同型機を平然と、しかも人口密集地で使い続けることは、人命尊重でしょうか。原因がまだ判明せず、同じような事故が起きる可能性があるのに、飛ばし続けることは人命第一の考え方でしょうか。
歴代の厚木基地司令官は、自らが周辺住民のよき隣人でいたいと言っておられました。貴職も同じお考えでしょうか。11月30日以降、毎日のようにオスプレイが厚木基地周辺を飛行しています。事故機と同型機が隣人の頭上を飛んでいるのです。大和市も綾瀬市も飛行停止を求めています。隣人の訴えに耳を貸さないのですか。
以下、わたしたちの要請項目を記載します。貴職の権限の外にある項目については、米空軍、米海兵隊、あるいは米国防総省にそのまま進言してください。
- すべてのオスプレイの飛行を、即座に停止すること。
- 日本にあるオスプレイをすべて本国に持ち帰ること。
- 厚木基地隣接の日本飛行機工場でのオスプレイ定期機体整備契約を破棄すること。
- 木更津駐屯地での定期機体整備契約を破棄すること。
- 今回も含め、これまでのオスプレイのクラスA事故の報告書をすべて開示すること。
- これまでの緊急着陸の原因とその処置について発表すること。
「飛ぶなオスプレイ」のプラカードを掲げて抗議