2021.07.20 オスプレイ定期整備契約問題で南関東防衛局へ申し入れ
7月20日(火) 13時30分より南関東防衛局において、厚木爆同、神奈川平和運動センター、県央共闘会議、そして第五次訴訟原告団代表による、オスプレイ定期機体整備契約についての申し入れ行動が行われました。
6月25日に防衛省から周辺自治体にオスプレイの定期機体整備について日本飛行機株式会社も整備企業に選定されたという情報提供がありましたが、この文章には「木更津駐屯地の格納庫を貸し付けることとしている」と書き記してありました。ところが、新聞報道では、川崎重工(日本飛行機の親会社)の関係者の話として「厚木飛行場に隣接する工場で整備を実施する」と記載されていました。防衛省と業者との間で話が食い違っています。
オスプレイの安全性について、私たちは疑問を提示し、危険の排除のために厚木基地の飛来には常に抗議をしてきました。そのオスプレイの定期機体整備が厚木基地に隣接する日本飛行機の工場で行われるとすれば、これを見過ごすことはできません。
今回の南関東防衛局への申し入れは、事の真偽を明らかにするのが目的でした。これに対し防衛局は「米軍と民間企業との契約なので、防衛省は口出しできない。この件で情報が得られれば関係自治体に情報提供をする」と答えるのみで、米軍や企業への問い合わせも含めてそれ以上回答できないと述べるだけでした。これに対し私たちは、米軍に関する契約なのに防衛省が内容を知らないなどとは考えられない、現実に基地周辺に住んでいる我々に知らぬ存ぜぬで済ませることは民主主義とは言えない、知る権利をどう考えているのか、などと追及しましたが、これ以上の答弁はありませんでした。防衛局の対応は丁寧でしたが、言質を取られまいとする姿勢に終始した印象でした。
以下申し入れ文
2021年7月20日
防衛省南関東防衛局長
山野 徹 様
厚木基地爆音防止期成同盟
委員長 石郷岡忠男
第五次厚木基地爆音訴訟原告団
団 長 大波 修二
原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議
共同代表 高久 保
神奈川平和運動センター
代 表 福田 護
オスプレイ定期機体整備契約についての申し入れ
基地周辺住民・自治体と、防衛本省との連絡調整業務における尽力、ご苦労様です。とりわけ、私どもの要望・申し入れにその都度対応していただき、本省へ報告していただいていることに感謝申し上げます。
6月25日、防衛省から、標記定期機体整備について、周辺自治体に情報提供がありました。日本飛行機も整備企業に選定されたというものですが、加えて、「引き続き我が国企業に対して木更津駐屯地の格納庫を貸し付けることとしている」という文言も記載されていました。
ところが、新聞には、川崎重工の関係者の話として「厚木飛行場に隣接する工場で整備を実施する」と記載されていました。防衛省と業者で異なるメッセージを出していることに、わたしたちは困惑せざるを得ません。
オスプレイが厚木基地に初めて飛来したのは2014年8月ですが、それ以降ことあるごとに、わたしたちは、貴職に飛来中止を求めてきました。オスプレイの機体構造に重大な欠陥があり、それがために事故が頻発していたからです。しかも米軍は、その事故情報を極めて限定的にしか開示しておらず、事故究明姿勢にも疑問があります。
また、オスプレイの安全な飛行のために、2012年に日米合同委員会で取り交わした覚書に違反する飛行も頻繁に見られます。 オスプレイの機体の安全性について、周辺自治体及び住民が懸念を抱いていることは、貴職は十分承知されていることと思います。
2017年3月に在日米海軍、陸軍司令官と、県知事及び防衛省幹部が一堂に会し、意見交換を行った際、在日米海軍司令官がオスプレイは災害救援に有効として、防災訓練への参加の考えを伝えたところ、当時の堀地南関東防衛局長は「現状は住民の中に不安がある。」と答えたと聞いています。
当時は、沖縄の名護市東海岸で「不時着水」事故があり、県知事は「住民に危険への思いがよみがえった」「安心して受け入れないとうまくいかない」と語ったとも伝えられています。
2017年8月にも、オーストラリアでの着艦失敗事故がありました。その後も、毎年のように緊急着陸などのトラブルを起こし、つい先日も山形空港に修理のため滞在を余儀なくされています。しかもトラブルの詳細は説明されていません。その他、わたしたちは、毎年、オスプレイの安全性や事故率などについて、質問を提出していますが、防衛本省は、それに正面から答えようとしていません。
つまり、2017年3月時点以降も、わたしたちの不安は解消されてはおらず、逆に深まっているということです。それを承知している南関東防衛局が、米軍と整備業者の意向だけで、機体整備といえども、簡単に厚木基地にオスプレイを持ち込ませるとは思えませんが、あらためて、以下のことを申しいれます。
1. 今回のオスプレイ定期機体整備契約を撤回するよう在日米軍及び日本飛行機株式 会社に通告すること。
2. 川崎重工関係者がなぜあのような発言をしたのか調査し、結果を公表すること。
3. 防衛省は整備場所について、どのように考えているのかを明確に示すこと。
4. 厚木基地隣接の工場で整備をする可能性がある場合は、県及び周辺自治体、住民 にオスプレイの安全性について丁寧に説明をすると共に、提出された質問などに真摯に 回答し、住民全体の納得が得られるまで、整備計画を実行しないこと。
5. 厚木基地へのオスプレイ配備計画がある場合は、住民の不安が払拭されていない ことを在日米軍に事前に伝え、実現が困難であるとして中止を進言すること。
以上