厚木最高裁判決を踏襲した横田判決
10月11日(水)10時30分より第二次新横田基地公害訴訟の判決が東京地裁立川支部で下されました。判決では過去分の被害賠償は認められたものの、残念ながら飛行差し止めは認められませんでした。
新横田訴訟は米軍横田基地周辺の住民1078人が2013年3月26日に提訴しているもので、この日の判決で賠償総額約6億1,880万円が認められました。
うるささ指数(W値)別では、1か月あたり75W 4,000円、80Wで8,000円、85Wで12,000円と厚木訴訟の判決と同じでした。
飛行差し止めについては厚木訴訟の最高裁判決と同様に、米軍機については「国の支配が及ばない第三者行為」であるとして、「国は米軍機の運航を規制する立場にない」ので夜間・早朝の飛行差し止めは認めませんでした。
自衛隊機についても「民事訴訟での請求は不適法」とし請求は退けられました。
いずれにしても厚木基地の訴訟と同じ判決であり、厚木の訴訟団から傍聴参加した5人からは「厚木基地訴訟の判決をそのまま述べただけ」という声が上がりました。
厚木判決との違いは、防音工事施行による賠償額の減額が工事室数にかかわらず一律10%ということで、厚木よりも有利な判決となっています。
新横田原告団は判決終了後、参議院会館で防衛省、外務省に対し政府交渉を行いました。防衛省から5人、外務省から2人が出席し、原告側からは支援団体・弁護団を含め約60人が参加しました。
交渉の席で原告側は爆音の実態を述べる中でこの判決に納得するものではないことを告げ、「静かな空」を取り戻すその日まで、被害の根本的救済を司法に迫り、全力を挙げて闘い続けるとしています。
第五次厚木基地訴訟も8月4日に横浜地裁に提訴しました。現在も追加原告を募集しています。
全国基地訴訟団の横田・新横田・小松・岩国・普天間・嘉手納基地で取り組まれている訴訟と共に、厚木訴訟も飛行差し止めの実現を求めて、原告の皆様と勝利するまで闘い続けましょう。
※2017年2月23日には沖縄で第3次嘉手納爆音訴訟の判決がありました。(琉球新報より)
那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)は23日、爆音は受忍限度を超えていると認定し、総額約302億円の損害賠償の支払いを国に命じた。全国の基地爆音訴訟で過去最高額となる。一方で、飛行差し止めの請求について「被告(国)に対して支配の及ばない第三者(米国)の行為の差し止めを請求するものだ」として、従来の基地爆音訴訟と同様に「第三者行為論」を採用し棄却した。原告側は控訴する方針を示した。判決で藤倉裁判長は、爆音による生活妨害や睡眠妨害などに加え「高血圧症発生の健康上の悪影響のリスク増大も生じている」として原告側が主張していた健康被害の一部を認定した。
第3次訴訟は2011年4月に提起された。原告数は22,048名で、全国の基地爆音訴訟で最大。