原告団代表挨拶
―第五次厚木基地爆音訴訟勝利を目指して―
原告団代表 大波 修二
厚木基地の爆音被害と闘う皆さん、第五次厚木基地爆音訴訟原告に加入していただきありがとうございます。原告総数は、3319世帯、8879名、その内飛行差し止め原告は1393名に上りました。
これから裁判終結まで何年かかるか、予想は困難ですが、原告団と弁護団を中心に、厚木基地周辺の住民の方々の理解と協力を呼び掛けながら、裁判勝利に向けて闘っていきます。
さて、最近の厚木基地を取り巻く情勢の話題になっているのは米空母艦載機の岩国移転問題です。今年、2018年の3月いっぱいで移転は完了したという情報です。私たちは岩国に艦載機が移転しても、厚木基地周辺の訓練空域など変わらないため、また、厚木基地内のいらなくなる施設の返還などが具体的に出ていないため、爆音環境に大きな変化はないだろうと予想しています。
2016年12月8日に第四次訴訟の最高裁で判決が言い渡されました。最高裁は、横浜地方裁判所、東京高等裁判所が認めた「自衛隊機の飛行差し止め」と「将来請求」を覆しました。日本政府や米軍や自衛隊が我々の要求の前に立ちはだかっています。「個人の命や健康や基本的な暮らしは我慢しなさい。国防の環境が何よりも大切だ」と言います。
我々の生活を考えた航空機の飛び方を考えてもいいのではないか。日本国内にある基地でありながら、なぜ主権者である日本国民よりアメリカ軍が大事にされるのか、到底納得できないのです。この流れは変えなくてはなりません。第五次厚木基地爆音訴訟勝利に向かって進みたいと考えています。
あの航空機爆音による、日常生活の家族の団欒の妨害、テレビの音声妨害、睡眠妨害による健康の破壊、子供の成長の阻害等これ以上爆音による生活破壊を絶対許すことはできません。更には、墜落事故や部品落下などの不安も大きく、精神的被害も増幅しています。米軍機に対して司法の権限がなぜ及ばないのか。この爆音に対して「騒音状況の改善を図るべき政治的な責務を負っている」と私たちは指摘してきたにもかかわらず基地周辺住民が受けている違法な被害が漫然と放置されていて、効果的な改善策はなく、被害が拡大し続けています。従って、第五次訴訟においても「厚木基地を離発着する飛行機の差し止めや、爆音に対する損害賠償」を求めていきます。
この裁判に勝利することは爆音被害に苦しむ、厚木基地周辺の住民240万人に勇気と安心を与えることができます。爆音環境を変え、厚木基地周辺の住民の利益に合致することを意味します。裁判勝利に向かって歩み続けましょう。