コンター(W値)について【環境庁方式・防衛施設庁方式】
W値(WECPNL)は、騒音の評価尺度としてICAO(国際民間航空機構)の提案(航空機の運航変動が少ない民間空港への対応を主眼)で、日本では環境庁(当時)が「航空機騒音に係る環境基準」を決める際に採用した=環境庁方式。一方、一年を通じて運航変動が大きい軍用飛行場周辺における航空機騒音を評価するにあたり、民間空港とは異なる飛行状況を考慮してW値を算出することとした=防衛施設庁方式W値=第18回口頭弁論で証人に立った横浜国立大学田村明弘名誉教授は防衛施設庁周辺コンター作成基準委員会専門委員を務めた。
環境庁方式 防衛施設庁方式
継続時間補正 最大値から10dB低いレベルを超える騒音の継続時間を20秒と固定 最大値から10dB低いレベルを超える騒音の継続時間を個別の機種・飛行態様ごとに算定
着陸音補正 なし ジェット戦闘機着陸音に+2dB
飛行回数 暗騒音より10dB以上大きい航空機の機数を、1日ごとの重み付き飛行回数とする 1年間の日ごとの重み付き飛行回数を整理し上位から10%の回数(N10)
※基本的考え・基礎評価尺度・発生時間帯補正は同じ
被告国の主張している【昼間騒音控除後W値】
昼間、仕事や学校などで騒音区域外に出ている人は昼間の騒音を受けていないのだから、住民に共通する被害は「夜」だけだ、というもの。また被告国は、「夜」だけの騒音に基づいたコンター図を引き、裁判所に提出しています。証人によると、『W値というものは算定の基本的単位が24時間(1日)でなければ意味がない』と証言しています。国の主張していることは、防衛施設庁周辺コンター作成基準委員会専門委員を務め、法廷で証言頂いた田村明弘名誉教授をはじめとした、日本の騒音関係学識者の長年にわたる研究を無にする考えです。